6月のプライド月間にあわせて、「LGBTQ+」をテーマとした社内セミナーを開催しました。 講師として、トランスジェンダー当事者でもある宮川直己さんをお招きし、基礎知識からご自身の体験談まで丁寧にお話いただきました。
九州大学卒業後、女性として福岡市役所に入庁。新規ITシステムの導入や児童虐待対応等に10年間従事する。男性への性別移行を行うと同時に退職、独立。2016年より管理職や経営者等のビジネスパーソンを対象にコーチングを提供。前職と併せた対人サポート経験は15年。実績は延べ4,000人超。コミュニケーションセミナーには延べ5,000人が参加。現在はLGBTQへの対応を進める企業への研修や監修も実施。著書に「LGBTQの働き方をケアする本」(自由国民社)。
「多様性」を軸にした取り組みを継続中
メタップスでは、これまでに「SDGsレポート」の発刊や社内での勉強会など、少しずつではありますがSDGsに対する取り組みを進めてきました。
社内での勉強会は今回が5回目です。テーマ選定にあたっては、特に「多様性」との関連を意識し、妊活や不妊治療、月経・PMS、アンコンシャス・バイアスなどを取り上げてきました。
「多様性」はSDGsの根幹をなす重要な概念であり、2021年に策定した当社のマテリアリティの中でも、とりわけ「多様性のある社会・組織の実現」を重視しています。
そこで今回もその一環として、「LGBTQ+」をテーマにした勉強会を開催しました。
ひとりの人間として相手を尊重する姿勢が大切
開催する上で大切にしたのは、コンプライアンスやハラスメントの研修ではなく、“ビジネスでの重要性”に重きを置いた内容にすること、そして当事者としての体験談をお話いただけるように質疑応答の時間を長めに確保したことです。
宮川さんのお話の中で、LGBTQ+の方は一定数存在するものの、そのほとんどが誰にもカミングアウトせず働いているというお話がありました。 もしかすると「自分の周囲に当事者はいない」と思っている人が多いのではと思いますが、実は知らされていないだけかもしれません。仮に当事者がいなかったとしても、その家族は存在する可能性があります。
つまり、従業員をはじめ、求職者、取引先、投資家などのステークホルダーの中に、当事者やその家族が一定の割合で存在するということです。だからこそ、LGBTQ+に関する知識は人事部や管理職だけでなく全てのビジネスパーソンが身に着けておくべきだと思います。
それが、当事者の方にとって「居場所がある」と感じられる職場づくりにも繋がっていき、生産性や論理思考力など仕事のパフォーマンスにも良い影響を与えることになるのです。
質疑応答では、宮川さんご自身の経験について多くの質問が寄せられました。 幼少期から感じていた悲しさ・苦しさ、手術や戸籍の変更によって得た安心感、ご家族との関係性で辛かったことなどを赤裸々に語っていただき、聞いていて胸が締めつけられるような気持ちになることもありました。
多様な性のあり方が存在する中で、当事者の方それぞれで価値観や理想とする生き方も異なります。宮川さんのお話によってその一端に触れることができました。
開催後のアンケート(一部抜粋)
- 知識を得ることも大事ですが、このように当事者から直接話を聞くことで改めて考える良い機会になると感じました。
- 当事者の経験が聞けたのは貴重な機会となりました。いろいろなLGBTQ+の方がいるので、この人はこうだろう、と決めつけないことが大切だと感じました。
これはLGBTQ+に限った話ではありません。すべての人が安心して働き、力を発揮できる組織づくりのため、メタップスとしてもできることから始めたいと感じました。
プライド月間に合わせた情報発信活動も
今回は、セミナーへの理解度や興味・関心を高めるため、「LGBTQ+」に関連する情報を社内にシェアするという取り組みもあわせて実施しました!
社内発信内容
- LGBTQ+とは
- トランスジェンダーと性同一性障害の違い
- 性のあり方
- 同性パートナーシップ制度と企業の取り組み
- SOGIハラスメント
- 企業による従業員向けの取り組み
- LGBTQ+関連ニュース
コンテンツ作成にあたっては、テーマ選定の段階から宮川さんにご相談させていただき、内容の確認・修正も含め、多大なるご協力をいただきました。 開催後のアンケートでは、この取り組みに対して大多数の方が「初めて知る情報があった」と答えてくれましたが、何よりこの取り組みを中心となって進めた私たち自身が、とても学びの多い経験だったと感じています。
この場を借りて、宮川さんに改めて御礼申し上げます!ありがとうございました。