こんにちは、人事の芳賀です!
今年から諸事情があって、私が1人採用人事になってしまったため、情報のキャッチアップや課題について、同じ悩みを持っている方と一緒に前に進めたら良いなと思い「ぼっち人事 meet up」というイベントを開催してみました。
今回はそのイベントの様子をご紹介いたします。
ぼっち人事 meet upとは?
採用にまつわるタスクはどうしても孤独になりがちだということを、1人採用人事になってからあらためて痛感している日々です。
目の前のタスクだけに追われていると、あらたな情報やトレンドをキャッチアップできなかったり、あるあるの課題に押し潰されてしまいそうになることも多々あると思います。
ぼっち人事と書いてはありますが、別に兼任人事であったり、チームで採用している方であったり、採用に関わるエンジニアやビズの方でも構いません。
あまり重くならず、ライトに雑談でもしながらノウハウを共有したり、悩みを相談できる場にしていきたいと考えております!
参加者紹介
第1回に参加してくださったのは下記の方になります。ありがとうございます。
大学卒業後、大手総合人材紹介会社へ入社。IT.Net系のRA(法人営業)を3年弱ほど従事。その後退職し2022年に明光ネットワークジャパンの新規事業である人材紹介事業の責任者として入社。20代の転職支援を軸とした事業を展開している。他にもフリーランスとしてDtoCのアパレルブランドの運営や採用コンサルなども行っている。
大学卒業後にソーシャルゲーム運営会社へ入社。サーバーサイドエンジニアとしてデータ分析基盤を構築。2016年からニュースアプリを運営する会社に入社し、データ分析や新規事業の立ち上げに携わる。2021年8月に1人目の正社員エンジニアとして株式会社プレックスに入社。
新卒でソーシャルゲームの運営会社にて、ソーシャルゲームの運用を担当。その後、スポーツ系のスタートアップを創業。2022年1月に株式会社プレックスに入社、PlexJob(物流特化型HRテックサービス)の開発及び運用を担当。
大学卒業後、大手金融機関へ入社。営業や人事を経験後、退職しフリーランスとしてブログのコンテンツマーケティング支援を行う。2019年に人事としてメタップスに入社。中途・新卒採用を担当する傍らで、人事企画にも携わる。
自社開発の会社にとって採用厳しくないですか?
芳賀
自社開発企業が採用したい領域は売り手市場という面が凄く強まっていて、メタップスに関して言うとビジネス側ではSaaSのセールス経験者、エンジニアも必要で、メタップス本体だけで年間15ポジションぐらい社内から依頼が来ます。
中川
事業会社を渡り歩く方は、1つの流れとして大きな会社のプロダクトから小さな会社やプロダクトに移るというのがありますが、メタップスの場合、大きな会社ではないけれど、かといってスタートアップでもないというポジションになっていて、ちょっと難しいかもしれませんね。
芳賀
一般的には上場したら採用が上手くいくという話も聞くんですが、実感としては別にそうでもないです。
芳賀
プレックスさんは、現在、何人ぐらいのエンジニアを採用しようとされていますか?
石塚
今年中に3名程度と考えています。
芳賀
エンジニアのスキルレベルはどのあたりを想定されていますか?
石塚
やはり自走して実装できるぐらいの方が来ていただけると嬉しいですね。
芳賀
スタートアップだとそうですよね。実務でいうと3年ぐらいやっていて欲しいですよね。
石塚
そうですね。3年ぐらいはやっていて欲しいです。
芳賀
メタップスも正直やっとという感じです。3年ぐらい前から未経験やジョブチェンジの方に来ていただけるようになりましたが、それまでは難しかったです。それでも年間に数名程度で、それを越してしまうと、逆に手が回らないみたいな状況になってしまいます。
中川
エンジニアの労働人口自体は増えているんですよね。
芳賀
ありがたいことにオンラインスクール出身という方が増えて、エンジニアの労働人口増えてますね。
石塚
求人を出すとそういう方からの応募が多く、なかなかマッチしないというのが悩みです。
芳賀
スタートアップからすると、今はまだちょっと厳しいという面がありますよね。
石塚
受け入れ側の問題で厳しいというのはあります。
芳賀
弊社だと各媒体、毎週5名ぐらい未経験や+αの方が応募してくださるんですが、エンジニアに渡すと「育てたいし、かわいいけれど、今じゃない。」みたいなことを言われてしまうんですよね。ただ、だとするとその実務経験3年という方は、どこに行って、どうやって採用するのか?という問題が出てきて、各社正攻法ではなかなか難しくて、手詰まりになっている感はあります。
リファラル採用していますか?
芳賀
リファラルはあります。PMとかできるぐらいの経験年数5〜10年の方を採用する際は、社内の誰かと前職でも一緒に開発5年やっていましたみたいなケースが多いです。あとはエンジニア同士で、よく飲みに行く関係性だったり、プライベートでも一緒に遊ぶみたいな方を紹介していただくという場合もあります。ただこれらは採用担当者としては、仕事ができていない感じがして、申し訳ない気持ちになるんですよね。
中川
プライベートなネットワークはどうしても重要になってしまいますね。
芳賀
リファラルもいわゆるリファラルではなくて、ネットで知り合った方の後輩がエンジニアをやっていて、その方と仲良くなった結果、カジュアル面談に来てくれて、結果採用に至ったというようなケースもあるんですが再現性が無い。もはや麻雀をやっているような感覚になっていて、確率を上げるための作戦やテクニックはあるんだけれど、結局最後は運がからんできちゃう。最大確率で待つけれど、再現性は確率に従うみたいな感じになっちゃうんですよね。
石塚
私もリファラルで今の会社に入っているんですが前々職の同期の方に誘っていただいたんです。
芳賀
リファラルだと採用する側もされる側も安心感ありますよね。だとするとリファラルにフォーカスしちゃうのが良いのかな?と思ったりもします。
石塚
10人ぐらいの開発組織をちゃんと作るというのであればリファラルだけでもできそうなんですが、きっと頭打ちがあって、もっと大きな組織を作る場合には難しいと感じています。
芳賀
リファラルの限界ありますよね。メタップスは本体だけでもエンジニアが30名弱在籍していて、その全員が1人紹介してくれれば、すぐに倍になりそうな気もするんですが、ある程度の年齢の方は家庭を持っているケースもあったり、経験年数がある程度の方はすでに良い年収や安定したポジションがあったりする。そうすると、なかなかベンチャーやスタートアップという選択肢は入らなくなってしまうんですよね。
石塚
すでにPdMやテックリード、場合によってはCTOをされている方に、お声がけするのは難しいと感じます。
芳賀
僕は今年31歳になるんですが、SIerとかにいった友達とかも、それなりに良いポジションについていて、収入も安定していて、30年先も見えているんだよみたいな感じになってしまっていて、わざわざ不安定なところに転職するという選択肢はなさそうなんですよね。
中川
エンジニア採用はリファラルしかないというので、人事だけでなく、ビズ側全員が友達全員に当たるみたいなことをやっている会社もあります。これは人事1人が頑張ってもどうにもならないということなんだと思うんです。
芳賀
そうなると求人を社内に説明する必要があるんですよね。
中川
たしかにそれはありますね。
芳賀
転職の可能性がなくても良いので、会社に呼んで遊びに来てもらう。そういうときって、大体他の友達も連れてきてくれたりするんですよね。それを積み重ねて、良いと思ってくれる人に出会うまで続けるとか。
中川
そうなってくるとマッチングアプリみたいになってきますよね(笑)
芳賀
そうなんですよ。いくつかの会社と合同で、何人かのエンジニアさんを招待して、楽しんでもらって、知ってもらって、帰ってもらうみたいな感じになっちゃう可能性があるんですよね。
オフショアは検討していますか?
芳賀
外資系のトップオブトップのところは日本の相場の2〜3倍の金額を出してきていますよね。単純に年収だけで勝負しようとすると、その年収のさらに倍みたいな話になるので、それはさすがにその戦場では戦えないという現実はあります。
中川
この状況のなかで、どうにかしようとすると、外国籍の方の採用であったりオフショアでの開発という選択肢が出てきますよね。
芳賀
知り合いの人事の中だけでも、自社開発諦めましたという会社は増えています。その中の1社は、1年ぐらい採用上手く行かなくて、社長やエンジニアたちと話した結果、外注を増やしたり、思い切ってオフショア拠点作ったりしているそうです。開発止まっちゃうぐらいならというのは理解できるんですが、これはこれで負のスパイラルがある。日本人の良いエンジニアが育つ環境がなくなってしまうという危惧があるんですよ。
スカウトはしていますか?
芳賀
スカウトって打っています?
石塚
結構打っていますね。でも残念ながら反応は無いです。
芳賀
スカウトは誰が打っても反応無いですよね?
中川
そうですね。アベレージで月1万件打ってました。
芳賀
そろそろ日本の人口超えませんか?(笑)
中川
2周目や3周目になっちゃったりしていました。
芳賀
スカウトは、やっぱり1人ずつ見て書くことになるじゃないですか。プレックスさんは人事が書きます?それともお2人で書かれているんですか?
石塚
エンジニアが書いていますね。
芳賀
やっぱりその方が良いですよね。
石塚
ただ返事が来るかというと……そうでもない。
芳賀
返信はあります?
石塚
既読スルーが多いですね。
芳賀
既読無視されると、恋愛してるときの気持ちを思い出すんですよね。
中川
もう1回LINEしてみるかみたいな。
芳賀
1日スルーされたから、もう1度送りたくなっちゃう。
中川
いや、冗談抜きで再度送ったらお返事もらえることはあるんですよ。
芳賀
勇気要るんですよね。でも諦められない場合には1週間後にこちらのメールご覧いただけましたか?というものは送ってしまうこともあります。迷惑になっちゃうなという気持ちとの葛藤がありますが。
芳賀
どのぐらいのペースでスカウト打っていますか?
石塚
週に20通ぐらいは打っています。
芳賀
週20通はメンタルが壊れるギリギリのラインのような気がします。
種井
メンタルにきますね。毎日開発のタスクが終わったあとに打っていますが……。
芳賀
1時間ぐらい前から吐きそうになりません?
種井
開発のタスクが終わった時点でお腹いっぱいですね。
芳賀
僕は1日3通で厳しいです。平日毎日やって週に15通だと心が傷んじゃう。
石塚
同じような感じかもしれません。
芳賀
送ったら送ったで、返信来ていないかそわそわして、無駄に画面を確認しちゃったりします。
中川
返信してくれても、そのあと途切れてしまうこともありますよね。
芳賀
ありますね。
種井
スカウトメッセージがテンプレっぽいってお返事をいただいたことがあります。
芳賀
辞退の理由としてですか?
種井
そうです。結構頑張って書いたつもりだったのですが……。
芳賀
それは辛い……。僕が申し訳ないと思ったスカウト文は、盛ったわけじゃないんですけれど、長期的にみたらこういう開発やるよみたいなことを書いて、面談までたどり着いたんです。その面談でエンジニアと一緒に現状を話したら、スカウト文と全然違うというので辞退されてしまったことがあります。
芳賀
返信率はアベレージで3%ぐらいです。奇跡が起きた!というときで3割。本当に神がかった瞬間、たまたま運が良かったみたいなのが3割ですね。
中川
文章もノッていたんでしょうね。(笑)
芳賀
スカウトの件数や返信率について報告しなければならない会社とかもありますよね。
中川
やっても何も生まないですよね。数字についての指摘しかできない。
芳賀
スカウトの返信率が5%→7%に上がっても、あまり大きな話ではないんですよね。
中川
月に1万件打っているとかだとまだ良いんですけどね。
石塚
返信がもらえるためだけのスカウトを打ってしまいそう。
芳賀
大きなところでシステマティックに採用を進めている会社とかだとそういう話も聞くんですよね。とりあえず返信率を上げろ!みたいな号令をかけた結果、ミドル以上を採るはずだったのに、未経験ばかりに声をかけて、返信率が上がりました!という報告が上がってくる。それは相手にも失礼だし、成果も上がらない。結果、誰も幸せにならないんですよね。
フルリモートで採用は進みそう?
石塚
メタップスは、今フルリモートですか?
芳賀
いや、違うんですよ。一応、週に2日出社ということになっています。
石塚
プレックスも週2日ですね。割と多いですよね、週2日出社。
中川
エンジニアの方はフルリモートを希望される方が多いですよね。
芳賀
たしかに。でもフルリモートを希望される方でも、実際に対面でお会いしたほうが意向度が上がりやすいという、謎の矛盾もあるんですよね。
種井
やりとりさせていただく中で「フルリモートですか?」という質問をいただくのですが、「週2〜3は来て欲しいです。」と答えると「朝の電車がちょっと……。」と断られてしまうんですよね。
芳賀
フリーランスの方でちゃんとワークする方って、コミュニケーションの頻度や報告の頻度が凄く上手いんですよね。
中川
即レスの方、多いですよね。
芳賀
今は割と未経験の方であったり、コミュニケーションをしたくないからフルリモートを希望されている方が多い印象があるんですが、そうなってしまうとお互い辛くなって長続きしない懸念があるんですよね。
芳賀
採用のためにフルリモートにされる会社ってあるんですか?
中川
ありますね。ただ実際に上手くいっている会社は、数年以上前からフルリモートをやっていて、当時から3割以上の方がフルリモートでもちゃんとできていた会社みたいなところに限られてしまっている印象です。
石塚
ある程度のスキルレベルの方だと、個人単位では上手く行ったりもしますね。
中川
レスの速度とかはどうですか?
芳賀
3時間ぐらいお返事がないと、次のことが進まないので、ストレスを感じることも多いですね。
お試し転職やってみています
芳賀
入社前の面談だけではどうしても相手のことがわからず、希望されている条件だったり、ポジションを出せないことがあるんですよね。そういう時は「試しに副業しませんか?」や「バイトどうですか?」というお話をさせていただくこともあります。
種井
副業とかでお願いするとなると、タスクの渡し方とか難しくないですか?
芳賀
そうなんです。だから全ポジションを副業で募集するということはできなくて、このチームのこのポジションなら試してもらえるという条件が入ってきてしまいます。どの条件、どのポジションでも「副業どうですか?」とは聞けないんですよね。
種井
逆に工数が増えてしまったりもしますよね。
芳賀
結果的に切り出しができないはあります。あとつまらないタスクしかお渡しできなくて、お願いしたところで、転職先としては魅力的に感じてもらえなかったり、失礼になってしまったりする場合もあるので、そういうケースも厳しいですね。
石塚
副業やバイトをお願いする場合って、あらかじめ期限は決めていますか?
芳賀
正社員になるかどうかのですよね。実は決めていなくて、徐々に工数を増やして切り替えてもらったりという状況ですね。そういう提案をさせていただく場合は、別に1年かかっても良いし、相手がやってみたら副業のままが良いということもあるので、相手にとってプラスになるならいかがですか?みたいな感覚でお話させていただくことが多いですね。
第2回も開催します!
なかなかキレイな答えがでることは無いかもしれませんが、第1回では普段社内では相談できないことをお話させていただけたので、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
早速今月第2回を開催しようと考えております。
当日はレポートには書けないオフレコのアレコレのお話もさせていただく予定です。
もし気になった方がいらっしゃればぜひ遊びにいらしてください。
よろしくお願いいたします!