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東京大学の鳥海先生によるAIと計算社会科学講義レポート!社会シミュレーションで読み解く成功するソーシャルメディアの特徴とは?

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1月某日、メタップスの技術顧問も務めている東京大学大学院工学系研究科准教授、鳥海不二夫先生に計算社会科学について講演をいただきました。

あまり聞き慣れない"計算社会科学"という分野でしたが、人工知能を用いてどのように社会科学の領域に活かすのか?どのようにシステムを設計すれば効果的にユーザーが滞留するのかなど弊社がこれまで取り組んできた内容にも直結する内容が盛り沢山な講演会でしたので、講演内容をメタップスブログにまとめていきます。-そもそも"計算社会科学"とはなにか?“計算社会科学”とは、社会科学を計算学的方面から扱う学問分野となります。

インターネットの発達、ソーシャルメディアの広まり、IoTの普及によるこれまで取得することが難しかったデータの取得などにより大規模なデータの蓄積が可能となりました。それらを定量的に分析することにより人間及び人間社会の持つ性質を解き明かしていくのが計算社会科学です。その中でも鳥海先生は自立的な意思を持つエージェント(AI)を用い、特定の状況を想定したシミュレーションを研究されています。今回、具体的にソーシャルメディアという状況を想定した際に具体的にどのように計算社会科学が使われるのかをご説明いただきました。

 

みなさん、こんにちは! メタップス、梅本です。

1月某日、メタップスの技術顧問も務めている東京大学大学院工学系研究科准教授、鳥海不二夫先生に計算社会科学について講演をいただきました。 あまり聞き慣れない”計算社会科学”という分野でしたが、人工知能を用いてどのように社会科学の領域に活かすのか?どのようにシステムを設計すれば効果的にユーザーが滞留するのかなど弊社がこれまで取り組んできた内容にも直結する内容が盛り沢山な講演会でしたので、講演内容をメタップスブログにまとめていきます。

▼講師紹介

鳥海 不二夫(Fujio Toriumi) 2004年、東京工業大学大学院理工学研究科機械制御システム専攻博士課程修了。博士(工学)。 同年名古屋大学情報科学>研究科助手を務め、2007年同助教。2012年より東京大学大学院工学系研究科准教授。エージェントベースシミュレーション、人工市場、ソーシャルメディア、計算社会科学、ゲームにおけるAIなどの研究に従事。人狼知能プロジェクト代表。電子情報通信学会、人工知能学会、日本社会情報学会の会員。2016年11月より株式会社メタップス顧問に就任。

▼講演の様子

 

-そもそも”計算社会科学”とはなにか?

“計算社会科学”とは、社会科学を計算学的方面から扱う学問分野となります。 インターネットの発達、ソーシャルメディアの広まり、IoTの普及によるこれまで取得することが難しかったデータの取得などにより大規模なデータの蓄積が可能となりました。 それらを定量的に分析することにより人間及び人間社会の持つ性質を解き明かしていくのが計算社会科学です。 その中でも鳥海先生は自立的な意思を持つエージェント(AI)を用い、特定の状況を想定したシミュレーションを研究されています。 今回、具体的にソーシャルメディアという状況を想定した際に具体的にどのように計算社会科学が使われるのかをご説明いただきました。

 

-計算社会科学の実例(ソーシャルメディア) <ソーシャルメディアの本質> 鳥海先生の研究の一環としてソーシャルメディアを対象にしたものがあります。 そもそもソーシャルメディアの本質とはなにでしょうか?

①ユーザー投稿による情報の蓄積、 ②みんなで情報を共有すること、以上の2点が<ソーシャルメディアの本質と言えます。

裏を返せば、他のユーザーが投稿する情報を得るだけのユーザーばかりになるとソーシャルメディアとして情報の蓄積が進まず、情報の共有もできません。 こうしたタダ乗り(free-ride)をするユーザーにどのように対応をしていけばよいのでしょうか?

公共財ゲームという事例を用いてユーザー同士の関係を考えていきます。

<公共財ゲーム> 公共財ゲーム(Public Goods Game)とは参加者全員が協力し合うと全体として最適化がなされ、一人だけが裏切っても影響が少ない状況下での行動をモデル化したものです。囚人のジレンマを二者間ではなく複数人で行っていると思っていただければイメージが掴みやすいですね。

公共財ゲームをソーシャルメディアに当てはめて考えると下記の図のようになります。

これらの関係を自分/みんな、協調/裏切りの形で整理すると次図のようにまとめることができます。

自然の状態にしておくと自分が裏切り、みんなも裏切り結果として誰もうれしくない状況になってしまいます。 自分が裏切るという行動が「一番嬉しい」、もしくは「誰もうれしくない」という結果になるのであれば自分が裏切るという行動を選択することが理に適っているためです。 しかし、このような状況を引き起こしてしまうとソーシャルメディアとしては成功をしません。

そこで協調を促進するためにいくつかルールを設定する必要があります。 一つ目に規範ゲーム、二つ目にメタ規範ゲームの設定です。 規範ゲームは裏切りに対する直接的な罰則であり、メタ規範ゲームは裏切りを見逃そうすることに対する罰則です。

このように2つの規範(特にメタ規範)を設定することにより協調を促すことができます。 しかし、よくよく考えてみるとソーシャルメディアを利用するユーザーがタダ乗りしているのに対して罰則をお与えることは難しそうです(サービスを利用させないなどになると本末転倒ですね)。 そこで罰則ではなく報酬を与えることによってユーザーの協調を促していきます。

例えば、SNSに投稿された日記への投稿に対してコメントする行動は、報酬にあたります。 更にそのコメントに対して返信することがメタ報酬となります。 それではどのような報酬が協調を促すために効果的なのでしょうか?

報酬の中でもコメントや返信などのようにある程度報酬を与える側にもある程度コストがかかるものがある一方で、「いいね」や「足跡」のようにほぼコストがかからない形で報酬を与えることもできます。

どのような報酬が効果的なのかについて鳥海先生の研究分野であるエージェントベースシミュレーションを活用しその効果をシミュレーションした結果が下記の図になります。 「いいね!」機能と「既読」機能を搭載した際の協調率についてのシミュレーション結果です。

それぞれの図を見ていただくとわかるように「いいね!」や「既読」のように低コストで与えることができる報酬についても協調性が高まる結果となっています。 特に「既読」のような機能はフリーライダーがサービス利用者の大半であっても機能するため、効果的なシステムと言えるでしょう。

まとめ 鳥海先生にご講演いただいた内容は、エージェント(AI)を用いながら実社会でどのように人間が行動起こすのかを解き明かしています。 行動を起こすのは、何かしらの報酬や罰則などがきっかけとなると今回の講演で理解することができました。果たして、どのような報酬や罰則が効果的なのか、今後も解き明かされていくのだと思うととても面白い未来とビジネスが待っていると感じました。

メタップスは、これまで蓄積したデータに対して人工知能を用い、分析・活用することで今まで社会の中で見えてこなかったパターンを見つけていくことができればと考えています。 今回講演いただいた鳥海先生のお力をお借りしながら、メタップスのビジョンである"世界の頭脳へ"の実現を更に加速してまいります。

鳥海先生、貴重な講演のお時間いただきましてありがとうございました。

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