0⇒1開発を経験したい未経験エンジニアがいたので、入社直後に依頼してみた話

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メタップスでは社内ツールの一部を内製開発しています。先日、社内リリースしたばかりの「silsil(シルシル)」は1人の未経験エンジニアが主役となり開発しました。そんな「silsil」のプロダクトオーナーであり、人事部長でもある笠原さんに、プロジェクトの裏側をインタビューしました。

内製開発に込めた意味

ーまずsilsil(シルシル)ってなんですか?

端的にいえばタレントマネジメントシステムです。とは言っても、今はメンバーたちのプロフィール機能のみですが。顔写真があって、所属組織がわかってというようなシンプルなものです。

 

ーつまり社員名簿でしょうか

現在はそのように見えるのですが、将来的にはもう少しマッチング機能を持たせたり、メンバー同士の交流を盛んにするためのコミュニケーションのきっかけの場にしたいと考えてます。「あ!自分と同じ趣味の人がいた!」とか「あの人を次のキャンプには誘ってみよう!」とか、そうしたきっかけを生み出していきたいです。

 

ーリモートワークが推奨される中で、プライベートイベントに新しく誘うきっかけは減ってしまいましたもんね

そうですね。入社したばかりのメンバーがどんな人か周りもわかりませんし、本人も業務外のコミュニケーションをとるきっかけを見つけることは、リモートワークでは難しい面もあります。それだけでなく、メタップスには複数の子会社がありますので、会社の枠を越えたコミュニケーションの活性化のためでもありますね。

 

ー内製開発した理由は、なんでしょうか

そうしたコミュニケーションを活性化させるためのカスタマイズをしたかったからです。もちろんコミュニケーション面だけでなく、機能拡張してタレントマネジメントシステムとして取りたいデータを取得できるようにするなど、メタップスにあった機能追加をしたいからですね。

 

ー笠原さんは人事部長でもあるので、人事視点でのカスタマイズをしていきたいですね

そうですね。今は最低限の機能にしぼっていますが、自社開発だからこそこれからの開発は楽しみです。

 

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開発の主担当は未経験エンジニア

ー人事部長の話でいうと、このプロジェクトには若手エンジニアをアサインしましたね!

山浦くんですね。実務でいうと未経験のエンジニアです。入社してすぐにこのプロジェクトに入ってもらいました。もともと構想はあったのですが、彼が入社するから始動させたという意図の方が強いです。

  


 

ープロジェクトの意図というと?

山浦くんには0からプロダクトを作るタイミングのプロジェクトに関わってほしいという想いがありました。彼に開発のメイン担当になってもらい、他メンバーはサポートに徹しました。ざっくりとした構想のみだったので、実際の仕様やコンセプトなどアイデア出しの会議から入ってもらいました。

 

ー入社した翌週にはプロジェクトMTG参加していましたね(笑)

そうですね。未経験なので、大変だったと思います(笑)。

開発の苦労は当然として、0→1でプロダクトを作るとなると、仕事の進め方も含めて様々な苦労をしたかなと。

 

ーアサインした際、当の本人の山浦くんの反応はどうでしたか

本人は、少しびっくりしたとは思います(笑)。

ただ、彼の中には0→1でプロダクトを作りたいという想いがそもそもあって、チャレンジングなことができるという面に共感してメタップスを選んでくれたので、だったらやってみようよって。だから「はい!やります!やらせて下さい!」という反応でした。

 

ー実際には、具体的にどのようなメンバー構成のプロジェクトですか

未経験エンジニアの山浦君の他にはPM、サーバーサイド、フロントエンド、デザイナーが各1名という感じです。ただ山浦君が誰かのアシスタントするという形ではなく、主役です。自分の責任でこのプロジェクトを進めてほしいと。もちろんOJT担当者もサポートをしますが。周りに腕の確かなエンジニアはいるので、そこをどう巻き込みながら、そしてキャッチアップしながら、自力でメインの開発ができるか挑戦してほしかったというところですね。

 

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考えぬいて、こだわりぬいて

ー技術的な成長はもちろんですが、他にどんな経験をしてほしかったんですか

こだわりぬくことですね。“こだわりを持つこと”は当たり前であるべきですが、“こだわりぬくこと”はまた一味違います。こだわりぬこうとすると、様々な壁にぶちあたり、挫折することも多いです。そこを妥協せずに最後までこだわりぬいてほしい。0→1のプロジェクトだからこそそこが醍醐味だと思っています。

 

ー細かいこだわり大切ですよね

そうですね。一見無駄に見えるようなことにも、全力で取り組む。そうした熱量が良いプロダクトを生み出すと思います。例えば、エンジニアはプロジェクトが走りだす時に、プロジェクト名にこだわりを持ちます。そこに愛着を感じられるほど考え抜いたかどうかで、プロダクトの成否にも影響があったりするんですよ。

 

ー今回のプロジェクト名はなんだったのでしょうか?

今回はプロダクト名と同じく「silsil」です。単なるタレントマネジメントツールやプロフィール帳になるのではなく、自分のことを知ってもらって、相手のことも知り尽くすためのものというコンセプトを表現しています。今後、機能追加をしていく際に、このコンセプトに立ち返りながら、どんどんやってもらいたいです。

 

ー他にもコンセプトとプロジェクト名がそのままプロダクト名になっているものもありますよね

社内ツールでいうと「Odessa」とかですね。これは情報共有に使っている各事業のデータ管理ツールですが、メタップスがこれまで創り出してきたプロダクト名のイニシャルを取っています。それらプロダクトと同じように、各事業が拡がり、花開くようにと。こうした社内向けツールであっても、こだわりを持って作ってくれています。そうしたこだわりぬいた経験をもつメンバーが入社したてのエンジニアの周りにはいます。彼らの背中を見てもらうことで、業界未経験であっても、メタップスらしい人材になっていくことかなと。

 

ーそうしたこだわりをもって新しいプロジェクトにも挑戦していってほしいですね

そうですね。こだわりを持つことややりぬくということは、職種や年齢、専門性に関係ないことなので、引き続きそうした姿勢を持っていってほしいです。

 

ー本日はありがとうございました!!

 

 

取材・撮影:芳賀 圭介