日本のスマートフォンアプリデベロッパーがクロスボーダーで他のアジア市場を狙うことが非常に増えていますが、最近台湾が非常にホットな市場だと言えます。日本のアプリ市場と比較したらどうなるか、9月の台湾のGoogle Playの売上・無料・新着無料チャートを分析しました。
台湾は人口2,300万人程度の国で、ヤフーの調べによると台湾人のスマートフォン利用時間は世界一で、1日約200分間(対象32ヶ国の平均は142分間)利用しています。そういう背景もあり、日本の人口の5分の1以下しか無いにも関わらず、台湾はGoogle Playでは売上が世界5番目の市場になっているので、日本のデベロッパーにとっては見逃せないご近所の国だと言えます。
日本のスマートフォンアプリデベロッパーがクロスボーダーで他のアジア市場を狙うことが非常に増えていますが、最近台湾が非常にホットな市場だと言えます。日本のアプリ市場と比較したらどうなるか、9月の台湾のGoogle Playの売上・無料・新着無料チャートを分析しました。
日本に非常に近い台湾市場
台湾の9月のGoogle Play売上チャートのカテゴリー出現率を分析すると、日本と同様にロールプレイングがトップのカテゴリーでした。Top 10 カテゴリーを並べても、日本市場のTop 10カテゴリーと9本のカテゴリーが共通で、台湾は日本と非常に相関性が高いアプリ市場であることが分かります。
他に日本と共通して台湾で人気のあるカテゴリーは「アクション」(日本 5位・台湾 3位)と「カジュアル」(日本 2位・台湾 4位」のカテゴリーです。
日本と台湾が異なる点としてあげられるのは、「ストラテジー」のカテゴリーで、日本では9位ですが、台湾では2位なので、台湾の方が盛り上がっているカテゴリーと言えます。
一方で、「エンターテイメント」 に関しては、日本では10位ですが、台湾では25位なので、日本の方が盛り上がっているカテゴリーと言えます。
LINEが台湾でとても盛り上がっている
台湾Google Playの9月売上チャートで、「一番ランキングの上昇率が高かったアプリ」を分析しましたら、Top 40にLINEのタイトルが7本入っていることが分かりました。この数値から、LINEが台湾で非常に人気が高いという事がわかります。
その他にも、台湾の売上ランキングを見てみると、日本デベロッパーがリリースしているアプリがとても売れていることが分かります。
「鎖鏈戰記 ChainChronicle」(SEGA)
今年6月に「チェインクロニクル」の台湾版がリリースされ、8月上旬に売上チャートTop 10にランクインしました。それ以降、ほとんどTop 10から離れること無く、9月には最高順位は6位まで上りました。
「怪物彈珠」(mixi)
日本の大人気ゲーム「モンスターストライク」の台湾版が今年5月にリリースされ、継続的に売上チャートのTop 25にランクインすることができています。
「Puzzle & Dragons(龍族拼圖) 」(GungHo)
日本のお馴染みのパズドラの台湾版が今年の1月末にGoogle Playにリリースされ、9月には台湾売上チャートには最高11位まで上りました。
台湾の9月のGoogle Play無料チャートのランキング上昇率を見ると、LINE Webtoon 每日漫畫がトップでした。他にLINEからLINE Q-快速解決問題的小幫手もTop 20にランクインしています。
そして売上チャートの他に無料チャートも9月中に首位を取れているアプリがありました。
刀塔傳奇 (LemonGameTW)
今年8月中旬にリリースされたストラテジーゲームで9月には台湾売上チャートに11日間首位を記録しました。無料チャートも9月末から10月2週目にかけてずっと首位ができました。要注目のタイトルです。
台湾では「ロールプレイング」が一番売れている
冒頭でお話したようにに、「ロールプレイング」カテゴリーは、日本と同様に台湾Google Playにおいても、売上チャートに一番出現しているカテゴリーです。そして、台湾では売上チャートの86.5%が、Top 10のカテゴリーからきていて、ほとんどの売れるアプリは「一部だけのカテゴリーから現れている」ということが言えます。これは先週のブログで公開したように、日本の場合の数字は81.9%で、台湾と似た現象が起きていますが、台湾の方が集中したカテゴリーが売れていることになります。
無料チャートでは「ツール」カテゴリーがトップで、出現率が8.8%でした。無料チャート出現率のランキングを売上チャートと比較すると、いくつかの傾向が見受けられます。
「カード」カテゴリーのように売上チャートの順位が6位と高く、無料チャートの順位が21位と低いアプリは、「数少ないユーザーにたくさん課金している」ことが分かります。
一方で、「ツール」カテゴリーのように無料チャートの順位が1位と高く、売上チャートの順位が21位と低いアプリは、「ユーザー数が多いけれど、あまり課金していない」ことが分かります。
新着無料チャートに関しては「カジュアル」カテゴリーがトップで、出現率が12.9%でした。再び売上チャートと比較しました。
「カジノ」カテゴリーのように売上チャートの順位が5位と高く、新着無料チャートの順位が14位と低いアプリは、「カテゴリー全体でかなり課金していますが、新規リリースが比較的に少ない」ことが分かります。
一方で、「カスタマイズ」カテゴリーのように新着無料チャートの順位が6位と高く、売上チャートの順位が32位と低いアプリは、「リリースが多いけれど、あまり課金していない」ことが分かります。
Google Playの売上チャートを考察する際に、「無料チャートと新着無料チャートではどちらかが相関性が高いか」という視点で分析するとどうなるのでしょうか。売上チャート(の出現率)Top 5に入っている「ロールプレイング」、「ストラテジー」、「アクション」、「カジュアル」と「カジノ」カテゴリーが、新着無料チャートのTop 10カテゴリーにすべてランクインしています。無料チャートのTop 10カテゴリーには「ロールプレイング」と「カジュアル」しか入っておらず、新着無料チャートの方が売上チャートに対して相関性が高いと言えます。
来年1月28日~2月1日に開催されるTaipei Game Showに向けて、日本からさらなるリリースが増えそうです。今後さらに、日本のデベロッパーにとって台湾は魅力的かつ、目が離せない市場になることでしょう。
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