ゲームに続く巨大市場となるか?直近のマンガアプリ市場の分析<マンガボックス・COMICO・LINEマンガ>

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2013年まではアプリ市場の収益の8割以上はゲームで支えられていましたが、フリマアプリやニュースキュレーションなど数億円以上の売上が見込めるジャンルが増えてきています。今回は最近テレビCMも盛んなマンガアプリに絞って見て行きたいと思います。

2013年まではアプリ市場の収益の8割以上はゲームで支えられていましたが、フリマアプリやニュースキュレーションなど数億円以上の売上が見込めるジャンルが増えてきています。今回は最近テレビCMも盛んなマンガアプリに絞って見て行きたいと思います。

ゲームと良く似た構造のマンガアプリ

もともとガラケーソーシャルゲームは通勤途中や待ち時間などのちょっとした空き時間にやるものとして爆発的に普及しました。スマホが普及して、ゲーム以外にも新聞や週刊誌やマンガ本は、アプリから空き時間に見るということが一般化してきています。マンガアプリは「隙間」の可処分時間を埋める暇つぶし的な要素が強く、ゲームと良く似たビジネス構造をしています。コンテンツ産業スマホに集約されていく流れが加速していると言えます。

有名作品中心 or インディーズ作品中心

マンガアプリの代表的なプレイヤーをインストールレンジごとにマッピングしてみました。マンガ・コミックアプリも各社微妙にモデルが違っており、インディーズ系を中心に集めるものもあれば、過去の有名ヒット作をダウンロードさせるタイプまであり様々です。

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独立したマンガアプリとしては、DeNAのマンガボックスと、NHN PlayArtのCOMICOが共に100万ダウンロード以上あり、大きなシェアを占めています。

LINEマンガは有名作品を中心に扱うB2C型のポータルのような形を取っています。マンガボックスは寄生獣進撃の巨人などの超有名作品も無料で読むことができ、かなりマス向けに作られていますが、インディーズ向けも同時に扱っておりハイブリット型と言えます。

一方、COMICOはインディーズ作品が中心で、クリエイター寄りのマーケットプレイスもしくはコミュニティに近いような作りです(マンガ特化版のPIXIVに近い)。

注目の動きとしては、少年ジャンプなどの雑誌のアプリを出版社が直接出している点があります。少年誌は根強いファンがいるので、コンビニで毎週買う週刊誌がアプリに変わっていく流れは強まるかもしれません。

優位のマンガボックス、COMICOの急上昇

ダウンロードだけでなく、アプリストアやソーシャルなどの評価数を軸に比べてみます。積極的なテレビCMもあり、現状ではマンガボックスが頭ひとつ出ている印象です。

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ただ、直近三ヶ月間の変化を見てみると、COMICOが急激に追い上げているのがわかります。評価数はダウンロードに比べると伸びはゆるやかなのが一般的ですので、短期間でこの角度で評価数が増えているということは、実際のユーザ数が急速に増えているということが予測されます。

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検索回数を見ても同様にCOMICOはここ半年間で注目度が高まっているのがわかります。

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直近3ヶ月のTwitterへのマンガ投稿のシェア数を比較してみると、やはりマンガボックスがトップですが、LINEマンガとCOMICOを合わせると3社でマンガアプリ市場の大半のシェアを占めていることが分かります。

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プラットフォーム戦略と海外展開が鍵?

冒頭でゲームと構造が似てるという話に触れましたが、マンガは巨大なプラットフォームとしてのポテンシャルがある点もよく似ています。

本体アプリに数百万人規模のユーザが毎日滞留している状態になれば、超人気コンテンツや派生ジャンルだけ切り出して単体アプリ化していき、最終的には自社回遊ネットワークを作り出せます。これはメッセンジャーアプリなどのやり方と近く、マンガを毎日読まない人でも特定のジャンルに興味を持ってくれれば自社のネットワークに人を引き寄せることができます。

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またマンガは版権が絡むビジネスですから、ヒットしたマンガをすぐにゲームにしたり、また既存の有名作品の版権獲得に有利になったりと、マネタイズがしやすい領域とシナジーが多いです。

日本のマンガやサブカルチャーは東アジアではとても人気があり、アプリストアのプラットフォームに乗っかれば海外にもスケールさせられる可能性も十分にあります。特に台湾ではコンビニにも普通に日本の人気マンガが翻訳されて売られています。既にマンガボックスもCOMICOも海外展開を開始しているので、結果に期待が持たれます。

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